川北英隆のブログ

小鞍嶺へ

今回の山歩きは事前の調べをほとんどしなかった。山を目的に歩いているため、今回のような里山は「大したことないやろ」「遭難なんて考えられへんやろ」「どっかに下りたら終わりや」と思っていて、道順だけをある程度決めておくに等しい。
関西本線の三郷駅を降り、駅前の車道を西南西に歩く。小さな橋を渡った少し先から山に向かって折れる。関地蔵の前を通り、後は(住宅街でややこしいから)道標を頼りに三室山の登山口を目指す。龍田古道の入口でもある。池を左手に見つつ、山に入る。途中までは車道である。休息所があり、その先から山道なのだが、それにしては広い。
夏とは違い、木々の葉が少ないから展望がいい。三室山の三角点(137.1m、点名は三室山)を確認し、展望台に上がって王寺とその先の奈良盆地を眺めた。
三室山から先もよく整備されており、道の横には桜と水仙が植わっている。「伝龍田神社本宮跡」の石碑はすぐである。横に壊れたトイレがあるのは「何やこれ」というところだった。その先に休息所がある。ちゃんとしたトイレもあり、観光がてらの散策を楽しめるようだ。
傾斜が緩やかになり、下から上がってくる車道と交差する。この付近の地形は、断層で隆起した準平原を、大和川を代表とする川が侵食したように思える。
左手に、三郷駅付近から見上げた電波塔がほぼ目線付近に建っていた。ついでだからと人家の横から登った。と、西側にもう少し高い丘がある。それもついでにと、道なりに向かったのだが、道の右手には柵があって丘には上がれない。
丘のピークの横を通り越したので引き換えしたところ、コンクリートの階段を見つけた。階段の先の柵に抜け穴が開いている。「これかな」と柵をくぐり抜けたところ、桜の木が植えられ、「小鞍(おぐら)嶺」「普賢寺跡」「経塚」の表示があった。「鉄山」とも文字も見え、小鞍嶺の西側の集落、雁多尾畑(がりんどおばた)が鉄の精錬と関係があったことを示しているようだった。
地形図によると小鞍嶺の標高は270m、南側には土の崖の印もあり、そこから南に伸びる沢が地滑り地帯として有名な亀瀬へと流れ込んでいる。昔、奈良(大和)から大阪(河内)へ向かうには亀瀬を避けなければならなかった。小鞍嶺まで上がったのかどうか。龍田道を通ったとされる聖徳太子に質問しなければならないか。
上の写真は「伝龍田神社本宮跡」の石碑である。下は小鞍嶺の山頂?である。神域なのか、ロープで入れないようにしてあった。
20230202龍田本宮跡石碑.jpg

20230202小鞍嶺.jpg

2023/02/02


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