川北英隆のブログ

三国岳を越えて

三国峠山頂から北に付けられた道に入り、下る。すぐに道は南を向く。ブナをはじめとする広葉樹の若葉が折からの日差しで輝いていた。
すぐに三国峠への一般道を左(東)に分け、地蔵峠へのアップダウンが始まる。ユズリハが道を塞ぎ気味の箇所もある。注意深く尾根をたどり、最後に大きく下って地道の車道に出る。京大の演習林への道である。右手へと少し登れば、頑丈なゲートのある地蔵峠だった。
峠から南に上がり、縦走を続ける。杉と広葉樹の混じった林が続くようになる。幹の変形具合からすると、杉は伐採を逃れたものか。今回の稜線にたくさんあった。
アップダウンが続く。尾根の曲がる地点にも注意しながら歩くと、満開近いシャクナゲが何本も登場した。大きな株もある。半世紀以上も山歩きしているが、満開のシャクナゲに出会えたのは初めてである。下草のイワカガミとイワウチワも咲いていた。
2018年5月中旬、鈴鹿の綿向山で同じ花達に出会った。シャクナゲはほとんど終わりかけていた。今年は山の花も早く咲いたようだ。
818mの独立標高点で尾根は東南東から南南東へと大きく向きを変える。岩谷峠を越え、大きな登りを経て三国岳の一角に入る。山頂付近は三国峠と同様、複雑な地形である。石灰岩の破片も多くなる。
大きなブナが目立つようになり、たくさんのオオカメノキに大き目の白い花も咲いていた。
山頂近くで桑原への道を分ける。さらにその上で稜線と三国岳山頂との分岐がある。山頂へは150m程度ある。それを往復した。
山頂には三角点(959.1m、点名は久多村一)がある。林の中ながら、木の間から比良の武奈ヶ岳方面が見えた。山頂から南への道があり、久多村方面へ下っている。
実のところ、三国岳山頂は高島市ではなく京都府にある。高島市は先の分岐までである。また「中央分水嶺の路」という意味での、本来の高島トレイルも同じ分岐までである。さらに言えば、この三国岳の三国とは何か。分岐が高島市、京都市、南丹市を分けているが。
分岐に戻り、尾根の縦走を続けた。この尾根上も高島トレイルとして整備されている。高島市側から高島トレイルにアプローチするためのルートという意味なのだろう。
尾根は丹波越に至る。三国岳との間は大きなアップダウンに乏しいのだが、その分だけ尾根が広く、注意が必要だった。
丹波越に着いて時間を確認した。さらに先に進むと、手頃なエスケープルートがないため、17時頃の高島市営バスに乗るのが難しくなっていた。次の経ヶ岳の往復は可能だったが、その先にイチゴ谷山の三角点(892.1m、点名は久多)があるため、次回に残すことにした。
本当のところ、高島市営バスにはもう1本遅いのがある。しかしそれに乗ると朽木から安曇川駅までのバスがない。タクシーを呼べば別だが、そこまでする気もなかった。
丹波越で大休止して時間を潰し、丹波越から桑原橋のバス停まで下った。僻地としては整備された道だった。次回、登りに安心して使えそうだった。
桑原橋でも時間を潰し、バスに乗った。朽木支所前でも連絡のバスに時間があった。近くの食料品店で朽木名物の焼鯖寿司を買い、ビールも入手して軽く夕食にした。
上の写真は三国岳の山頂である。下は三国岳山頂からの比良の主峰、武奈ヶ岳である。山頂からは朽木の東にある蛇谷ヶ峰も見えていた。
20230429三国岳山頂.jpg

20230429三国岳からの武奈ヶ岳.jpg

2023/04/29


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