川北英隆のブログ

競馬は金融リテラシー違反

中学校の教員が殺人容疑で逮捕された。「投資や競馬で借金を抱えていたのでは」と報じられている。「またもや公営ギャンブルか」と思うとともに、「そういえばカジノもできるらしいな」と思い出した。
まず「投資」と報じられているのは、正しくは「投機」だろう。ネット証券の口座を使った信用取引か、FX(外国為替証拠金取引)か、はたまた暗号資産(ビットコインなどの仮想通貨)か。「借金」があるとすれば、信用取引の可能性が大きいが。
いずれにしてもブログで何回か書いたように、投機は儲からない。とくに個人はそうで、専門部隊を抱えた証券会社などのプロの餌食になるのが関のサバ違う、関の山だ。プロが「こりゃウメー」と舌なめずりしている。
競馬などの公営ギャンブルは、そもそも儲からないようにできている。100円の馬券を買ったとして、よく知らないが、平均的には75円程度か。残りは「持ってけ、泥棒=主催者」である。他の公営ギャンブルも同類だ。
日本は公営ギャンブル大国である。テレビのコマーシャルによく登場するのが公営ギャンブルだから、それが「儲かっている」明確な証拠である。
金融リテラシー教育、つまり(うろ覚えながら)「お金の仕組み」「投資」「ローンやクレジットカードなどの留意点」「金銭にまつわる詐欺」などを中高生に教えることとなった。とすれば、「公営ギャンブル」の仕組みというか本質も教え、「罠に引っかからないように」と締めくくるべきだ。
公営ギャンブル、中学校の教員でさえ陥る。もっといえば僕の大学時代の知人もはまりかねない(深入りはしていないながら、その一歩手前にある)のだから、非常に危険である。
なのに、さらにカジノを誘致しようというのが政府の方針である。「何を考えてるんや」「そんなことでは、金融リテラシーを叫んでもオオカミ少年や」である。違うか、ウマ爺、ウマ婆か。
政治家や政府の政策は整合性に乏しい。南海トラフの非常に大きなリスクを国民に周知しようとしているのに、東京や大阪の人口集中を放置したままである。
放置どころか、もっともっとと湾を埋め立てている。そこにカジノを誘致しようとしている。カジノという施設にギャンブル中毒者を誘い込み、南海トラフ地震で一網打尽を狙うという高等作戦かもしれないが。

2023/05/15


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