川北英隆のブログ

バブルと明治記念館

金融財政事情研究会(金財)の倉田勲さんのお別れの会が明治記念館であった。東京にたまたま出てきていたので、お別れの会に出席した。
2022/11/22のブログに書いたとおり、倉田さんは金財の重鎮だった。というか、金融業界のことを裏も表も知っていたと思う。それだけに、日本の金融史というか制度史というか、それを亡くなった池尾さんにからめて書こうとしている今、倉田さんを喪失したのは大損害だと改めて思った。
それはともかく、会場の明治記念館には思い出がある。日本のバブルの頃というかその直後の余韻を残す時、何度か使った。個人的にだが、夕方から友人とビアガーデン代わりに会館の庭で飲んだ。会館ではビアテラスと言うらしい。
今はどうか知らないものの、炭のカンテキで乾き物を炙り、それを肴にビールを飲んだ。草木に囲まれた夏の夕辺の一杯はたまらなかった。
同時に今となって思うのは、当時としても高かった料金である。ビールを飲むだけなのに、それなりの代金を払った。当時の日本は豊かだったのか。どうせ明日、給料が上がると思っていたのか。いずれにしても期待が輝いていたのだろう。
そんなビールを飲ませてくれた庭園の今日の朝は、当時のように輝いていた。まだ客はいないのだが、もうじき来ると、庭園が期待しているようだった。
倉田さんと来たわけでもない庭だが、倉田さんが輝いた時代を表象しているようだった。もはやここでビールを飲むこともないだろうが、夢の中で戻る可能性は多少ある。
写真はその明治記念館の庭である。
20230516明治記念館.jpg

2023/05/16


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