川北英隆のブログ

上場企業のメリットとは

上場にこだわる企業があるそうだ。不思議だ。上場にこだわる企業はむしろダメ企業である。その典型例が東芝だった。それはともあれ、学生に人気のある職業は何か。上場しているかどうかではなく、自分自身の能力や夢に近いかどうかではないのか。
上場していないが、学生の人気の高い就職先は山ほどある。本当に望ましいのかどうかはともかく、公務員が典型だろう。
これに対する反論は、「一生安泰で楽な就職先だからね」というものだろうが、この反論に対する反論は・・と書きかけたものの、止めておこう。
優秀な学生ほど就職先が上場企業かどうかは考えていない。しかも転職の自由度が高まっている。就職して3年程度すると、どういう仕事をしたいのかがより明確になる。それを悟り、起業する者も出てくる。
そんな中、東京証券取引所の上場市場の再編時(プライムとスタンダードの区分時)に、「東証第一部に上場していると優秀な学生が集ってくる」と発言した企業経営者がいたらしい。本末転倒である。学生を馬鹿にしている。
非上場のサントリー、竹中工務店、YKKなどに失礼ではないか。もっというと、農業や漁業に従事する者にも失礼である。
というかサントリーなどの経営者がその発言を聞いたとしても、「アホな奴や、せやさかい彼らの企業が伸びないのや」と思うだけだろうが。看板で企業を経営しようという姿勢に対しては、もちろん看板の重要性を完全に否定するものではないが、「すでにその看板にコケやカビが生えてるで」「まさに吉岡道場やん、宮本武蔵に看板を乗っ取られるで」と言っておきたい。
アメリカの大学で学んだ友人が言うには、何々大学卒業とか、学士か修士か博士かという学位は、アメリカでは数年は保つけれど、その後は何の意味もないと。むしろ「昔は勉強したのやろけど、その割に今は怠け、アホになったやん」と、落差に感心されるだけだとか。
上場したからには、その企業にはさらに頑張ってもらわないとと思う。上場とは、大学に入った程度のものでしかない。卒業できるかどうか、さらに大学院に進学できるかどうか。その力を見て、投資家は株価を付けている。

2023/05/19


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