川北英隆のブログ

預金金利と配当利回りの比較

現在、金融に関する長期間のデータを集めている。その一環として、預金金利の推移を見てみた。と、ついでに配当利回りのデータも集めたくなった。その図を示しておく。
このデータを集めるのが意外に難しかった。預金金利がブツブツと切れているから。背景の1つとして、金融に対する規制があろう。
かつての預金金利は完全に規制の中に収まっていた。それが金融自由化の波にさらされ、自由化以前と以後で日銀のデータの収集体制の整備が後追い的になったのかもしれない。
図の定期預金金利として1000万円以上の定期預金のデータを用いた。1985年くらいまで、比較的長く繋がったからである。大口の定期預金金利が早い段階で自由化したからだと考えられる。
1985年以前について、規制金利下の定期預金金利のデータがあるものの、紙ベースである。大雑把には、高度成長期から1985年頃にかけ、1年定期で4%から7%の間で推移している。
預金金利の現状は、周知のように限りなくゼロに近い。7月末現在、1000万円以上定期預金でさえ0.059%である。
一方の株式配当利回りはといえば、足元で2%を超えている。定期預金金利と逆転したのが1995年頃である。それ以前は、普通預金金利を下回っていたこともある。
もっとも1970年代中盤までの配当利回りは3%を超えており、普通預金金利を完全に上回っていた。1970年代の中盤以降、上場会社の株式による資金調達が額面発行増資から時価発行増資へと移行した。これにより、「株式は配当利回りで買うもの」が「企業の成長を買うもの」へと大きく振れ、1980年代後半の株式バブルへと繋がったのである。
現在、株式の配当利回りは平均的に2%前後で推移している。この配当利回りが妥当化どうかの議論はさておくとして、「長期的には預金しておくよりも有利だ」との評価は(たとえば金融庁の「金融リテラシー」「貯蓄から投資へ」の観点からのお勧めは)、大局的には間違っていないだろう。
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2023/10/02


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