川北英隆のブログ

実家の郡山で買い物を

昨日は実家に出掛けた。没落したニチボーの郡山工場のことなど思い出しもせず、実家に着く前に寄った先が2箇所ある。正月用品の買い物である。
1つは餅屋というか饅頭屋というか、源九郎餅中嶋である。そこで正月用に期間限定製造される羊羹を買うのが最近の恒例になっている。もう1つは餅である。実家では正月用に中嶋で餅を搗いてもらっていた。我が家も、ある時から正月用の餅を中嶋で買っている。
餅や羊羹なんて、「どこでも買えるやん」「京都に住んでるのやろ」ってとこだが、実は少し違う。最近、京都ではまともな羊羹がない。有名な羊羹の老舗の味は黒砂糖が強すぎる。他の老舗では、通常は羊羹を置いていない。
たとえば某老舗の羊羹を使い物にしようと思って近くの出店に行ったところ、「本店しか扱っていない」と言われた。仕方ないので本店まで買いに行った。残念ながら自分では食べていないので、味のほどは不明なままだ。
餅は、中嶋はさすがに餅から始まった店だけあって一味違う。臼と杵で搗いているわけではないが、それでも違う。
しかも、これが重要かな、羊羹も餅も値段が京都よりも安い。味が上、値段が安いとなると、郡山の圧勝である。
次に、すぐ近くの山根蒲鉾店に寄った。ここも正月限定で蒲鉾を売る。通常は関西で言う「天ぷら」しか売っていない。蒲鉾なんて、今はスーパーで買うものか。近所も爺婆ばかりになって蒲鉾の需要が激減しているのだろう。
この山根は郡山の蒲鉾の老舗である。実家は山根でよく買っていて、子供の頃に買いに行かされたことがある。やはりスーパーの蒲鉾とは一味も二味も違う。
当日、オバさんが「もうこれだけしかない」と商品の並んだガラスの入れ物を指した。正月用によく売れているのだろう。普通の焼き蒲鉾と梅焼を買った。
ついでに思い出したのが水菜である。カミさんが「正月用に買いたいのに水菜が売ってへん」と嘆いていたのを思い出した。水菜は関西一円(少なくとも奈良、京都、大阪)の文化である。最近は京野菜の1つとして、ちょろっとサラダ用に売っているが、本物の食べ方ではない。白菜のように株になったものをガサって茹でて食べないことには。
「(よかったら近くのスーパーで)買って帰るで」とメールしたところ、カミさんは「(てっきり)買って帰る」と勘違いしたらしい。京都でもようやく売っていたので2つ買い、その後にメールを読み、多いと思ったのだろう。1つを近所に進呈し、1つを油揚げと炊いて昨日の夕食に並べた。残りが少ないので、正月用に今日も買いに行くらしい。
その水菜、京都の有名八百屋でもようやく並んだらしい。でも、黄ばんで廃棄寸前の顔をしていたとか。百貨店に出店があるので、そこで売れ残ったのを並べたのだろうか。他に同じような事例があるから、この八百屋、店名を「悪一」とでも変えたほうがよさそうだ。

2023/12/30


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