川北英隆のブログ

日経平均の窓が心配

ネットニュースを見ていると、どうも日経新聞に先を越されたようなのが、日経平均株価にぽっかりと開いた窓の指摘である。窓は相場が行き過ぎの証拠としてよく現れる。
株価の推移をチャートで描くことが多い。それもローソク足を使って。
ローソク足とは、価格の推移を「始値、高値、安値、終値」の4つの値段を使って描く手法である。株価を例に少し説明しておく。
始値と終値は四角で囲ったグラフで表す。終値の方が高ければ白抜きの四角に、終値の方が安ければ黒い四角にする。こうすることで、その1期間(たとえば1日)の間に株価が上がったのか下がったのかが分かる。
次に高値と安値を入れ、始値もしくは終値との間を線で結ぶ。これにより、その1期間の間にどこまで値が動いたのかがわかる。
このローソク足を使い、昨年12月1日から1月15日(昨日)までの日次での日経平均株価の推移を示しておく。上で説明した方法を確認しつつ眺めてほしい。
すると、「日次での値動きがほぼ連続している」こと、「年明けの1月4日には年末(12月29日)比で下落したものの、瞬間的に大きく下げた後に買い戻されている」(つまり、下に大きく伸びた線が描かれている)こと、「1月10日に高騰した」(長い白抜きの四角が描かれている)こと、「その後の2日にわたり、価格が飛んでいる」(前日の四角や線と重なっていない)ことが見て取れる。
この推移のうち、1月10日の翌日11日と、11日の翌日12日の2回、価格が飛んでいる状態のことを「窓が開く」という。下落相場で窓が開くこともある。この窓は、買い人気もしくは売り人気(?)が非常に強かった状態を表している。売りもしくは買いが殺到したから、前日の値段など関係なしに当日の値が付く。
新たな明らかかつ強い買いもしく売りのニュースがあれば、投資家がびっくりして(サプライズと表現されている)、前日とは別世界で価格が形成される。しかし今回の場合、1月に入ってそんな窓を開けてまで買い付くニュースなんてなかった。むしろ日本の経済を左右するアメリカでは株価が下げていた。
ということは、今回は買うニュースもなく株価だけが上げたことになる。窓を開け、猫やあるまいに(猫でもそんなことはしないか)、飛ぶ鳥に跳びついたわけだ。後は地面に落ちるだけかな。
本当に落ちるのか、どこまで落ちるのかどうかはともかく、これを「窓を埋める」という。チャートを信じない僕が唯一に近く参考にするのが「窓」である。
20240116日経平均の窓.png

2024/01/16


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