川北英隆のブログ

コンゴのゴマ

ロイターのネットニュースを見ていると、コンゴ民主共和国(大きい方のコンゴ)の東部で内乱があり、反政府勢力が主要都市であるゴマを掌握したと表明したらしい。かつて訪問した地域が混乱するのは悲しいことだ。
コンゴのゴマ地域はルワンダと国境を接している。正確にはウガンダとも国境を接しているのだが、一番関係が深いのはルワンダである。そのルワンダが反政府勢力を支援しているとある。
そもそもコンゴとルワンダの国境は紛争地帯である。かつてはルワンダではフツ族がツチ族を弾圧した。ゴマを旅行し、その翌年にコンゴの首都、キンシャサ付近を旅行すると、どうも民族や風習が違うなと感じる。ゴマ出身の現地ガイドがキンシャサ付近では役立たずになってしまう。そんなこんなで、複雑な状況を肌で感じてしまう。
コンゴ民主共和国は広い国だから民族も多様なのだろう。だから1つの国として統治しようというのがそもそも間違いのように思える。至るところで内戦というか紛争が勃発しているのが象徴的である。
ゴマの話に戻ると、旅行した当時、そこには国連軍が駐留していた。今でも同じだろう。冒頭でリンクしたロイターの写真にも国連軍(コンゴ民主共和国安定化ミッション:Mission de l'Organisation des Nations Unies pour la stabilisation en République démocratique du Congoの軍)が写っている。それにもかかわらず今回、反政府勢力の襲撃を食い止められなかったわけだ。
国連の力の衰退、民族意識の高まり、そんなことを感じてしまう。
写真は2016年に訪れたゴマの町である。当時は大きな一眼レフで撮っていたことと、現地の状況を考えてしまったため、気軽に町の風景をシャッターに収められなかった。
20250127ゴマの町にて.jpg

2025/01/27


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