川北英隆のブログ

保険料を自分で計算する

2008年11月、リーマンショックの余震が続く中、生命保険業界にもう1つの激震が走っていた。ライフネット生命保険が「付加保険料の全面開示」を行ったからである。極端にいえば、保険会社が懐具合をさらけ出したようなものである。
保険料は純保険料と付加保険料で形成されている。純保険料とは、死亡や入院等の場合に支払われる保険金をまかなうために必要十分な保険料のことである。付加保険料とは、保険会社が保険契約を集め、管理するために必要な部分であり、これによって経営が成り立つ。
従来の保険会社は、契約しようとする者に対して保険料を計算して示し、その金額を支払うかどうかを検討してもらうことで、契約を勧誘してきた。ただし、その保険料を純保険料と付加保険料に分けて説明することは行われなかったし、通常は分けて示す必要もない。このため、保険会社がもうけ過ぎているという批判があったのも確かである。この意味で、ライフネットの対応は異例であり、業界の掟破りでもあった。だから業界では激震と感じられたのである。
しかし、保険料を純保険料と付加保険料に分けて計算することは、単純な保険であればすぐに可能である。貯蓄目的で加入されることの多い養老保険の場合、とくに一時払い養老保険は、多少のファイナンスの知識さえあれば簡単である。というのも、純保険料を計算するための基礎数値である「男女別、年齢別の死亡率」が、日本アクチュアリー会によって公表されているからである。純保険料さえ計算できれば、保険会社に支払った(保険会社が計算してくれた)保険料と比較することで、どの程度の付加保険料が上乗せされているのかはすぐに判明する。
なお、純保険料の計算方法については機会があればこのHPででも紹介したい。また、ライフネットの公表に関心があるのなら、次のURLにアクセスすれば情報が得られる。
http://www.lifenet-seimei.co.jp/newsrelease/2008/1304.html

2009/04/25


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