川北英隆のブログ

ライフネット生命保険と旅行

学生からライフネット生命保険に関する質問を受けた。そこで、昨日に続いてライフネット関連の第2回を書いておきたい。とりあえずは出口社長(以下、出口さん)、その2である。
ライフネットの特徴とは何なのか。それは既存のものを模倣しないことである。なんて言うと出口さんに、「当然」と笑われるだろう。そんな、どこにでもあるような保険会社を起業することに社会的な意義は何もないし、出口さんなら興味を示さないからである。では、既存にないアイデアが生まれるプロセスには、何があるのか。
宇宙人が地球に降り立てば、英語も日本語もベルベル語も、人間という動物が発する音声の亜種でしかない。しかし、完全に異なった言葉を話せば、すべての人間には理解不能である。事業も同じである。亜種であるが、日本では特異に感じられる事業を行うのが成功のための一手段である。では、どうすればいいのか。その一手段で、かつまた手軽で楽しいのが、旅行をして異なった亜種を仕入れることである。
出口さんは旅行が好きである。その出口さんと公私にわたって数回旅行した。思い出深いのは私的に行ったチベットである。ほぼ10年前、まだ秘境の名残のあったラサを訪問した。その時に感じたのは、出口さんの行動力である。私は適当に目的もなく歩くのが好きだが、出口さんは目的を定めて行動する。といっても五十歩百歩かもしれないが、とりあえずターゲットが定まれば、そこへ行き着く執念は私の比ではない。
その旅行で、ふとしたアイデアが浮かぶ。実際、何回も経験がある。事前に設問をインプットしておくと、旅行が刺激になって、答えが浮かぶ。このことを出口さんに質問したことはないが、多分そうだろう。単なる観光旅行ではない。かといって、書物で読んだことを確認する旅行では単純すぎる。ひらめきが旅行によって得られなければ、何の意味もない。少なくとも私にとっての旅行や山歩きは、そうである。

2009/04/10


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