川北英隆のブログ

橋の下の猫

定期的に猫を観察する場所がある。散歩のついでや大学への行き帰りなどに見つけた定住の猫達である。最近の観察場所の3例を紹介する。
東京では京橋の骨董屋の猫である。骨董屋の玄関は2段だったか、階段になっており、上がった所とドアの間が広い。そこにマットが敷かれ、餌と水が置いてある。そこで餌を食べているトラ猫の姿がある。昼寝をしていることもある。3年くらい前、最初に見た頃に比べ、最近は丸々している。野良猫から半飼い猫に昇格した証拠だ。
家の近所では鰻屋の前の猫達である。何匹いるのかわからない。そもそも出没するのは夜か早朝である。昼間は人通りが多いからどこかに避難しているのだろう。プチ系統ばかりだから、一家かもしれない。スマートだが毛つやがいい。ウナギの頭や骨をもらっていると想像しているが、その現場に出くわしたことがない。近くにラーメン屋もあるから、そのおこぼれかもしれない。
でも、これらの猫は野良猫である。飼い猫で観察しているのが、二条の橋の下にいる猫達である。これも何匹いるのかわからない。真面目に観察すると数えられるだろうが、橋の下の住人に遠慮してしまう。季節と天気のいい夕方(昼間もあるか)、住人達は七輪で魚を炙りながら一杯やっている。猫達はその横でおこぼれを頂戴している。東京の友人に定職のないのがいるので、困ったら二条の橋の下を乗っ取ればいいとアドバイスしている。そうなれば、鴨川でキャンプできるというものだ。橋の下の青テントは観光都市を標榜する京都のネック、コンビニの営業時間規制を議論する前に何とかすべき問題だが、猫達にとっては今のままが幸せだ。餌はもちろん、水も、遊び場もふんだんにある、そんないい身分の猫は、日本中探しても多くはいないだろう。

2009/05/28


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