川北英隆のブログ

皇居の眺め

新しくなった三菱商事のビルに上がり、雑談をした。一番乗りだったので、皇居を俯瞰する時間があった。良いのか悪いのか、皇居の建物が一望でき、車の出入りまでわかる。こんなことでいいのか。少し残念なような。
実は新丸ビルのレストランでも同じ経験をした。皇居ウォッチャーがいて、望遠レンズで観察していれば、皇室を取り巻く動きが手に取るようにわかるとの、同席者の見てきたような嘘的な、傍観者的な説明を受けた。まあ天皇は象徴なのだから、ウォッチしたところでインサイダー情報が得られるわけでもなし、誰も観察しないのだろうと、その時に思った。しかし、よく考えるとプライバシーはどうなるのか。散歩の姿も撮影可能ではないのだろうか。そのようにも思った。
昔、といっても大学受験の滑り止めに東京に来たとき、皇居周辺のビルは高さ制限があると父親の友人が皇居周辺を案内してくれた。黒く(今から考えると排気ガスやスモッグで)薄汚れたビルが整然と、同じ高さで皇居の周辺に並んでいた。その秩序だった姿に感動したものだ。
そして今日。天皇家の普段は皇居の中を移動することにあるはずだから、その姿を外部から観察されることは相当の負担なのではないか。凡人としての私は、再びそのように思ってしまった。普段の唯一の楽しみである散歩や植物の観察をのぞき見されかねないわけだから、大変な負担である。とはいえ、少し観察すると、ビルの高層階から見えるのは車道だけで、歩道は森に覆われて見えない。だから心配不要、そんなことを考えたところで意味がない。何て、いろいろと解釈していたら、会合の相手が到着し、一件落着となった。

2009/05/29


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