川北英隆のブログ

京都の空と月

東京から戻り、今出川で地下鉄を降り、御所の北側に沿って京都大学まで歩いた。御所の庭には樹木が青々と茂っている。空は久しぶりに晴れたのか、小さな薄い雲を浮かべている。ふと、そんな空に月を見つけた。
半月よりも少し欠けた月が京都の東山から登り、中天にさしかかったところだった。空の雲と月とは、色彩も形も一致し、見分けが難しい。お互いに混じり合い、どちらが雲か月かが分からない。こんな日もあるのだと納得しつつ、さらに歩き、鴨川にさしかかった。
今出川通りを歩き、鴨川と高野川の合流点を渡るのは普段からの楽しみである。大文字山が大きく見える。北山も見える。大学時代の下宿からの往復に見慣れた風景である。
でも今日は大文字が楽しかった。大文字山は、火床の大の字の周辺も草が茂り、緑っぽくなっている。そんな大文字山から月が昇ったのだろうか。緑から生まれる白い月、その月が雲を真似して浮かんでいる。バスに乗るのもいいが、一度歩くにかぎる風景である。
このブログを書いていて思い出したことをついでに言おう。マイクロソフトのIMEは何とかならないのか。まず、細切れに変換し過ぎである。たとえば「へんかん」を「へん」と「かん」とで区切るようなことがしょっちゅうだ。長い文章の変換効率も悪い。かつて使っていた国産の変換機能の効率が懐かしい。実のところ、変換機能を重視したために、ワープロ専用機を最後まで愛用していた。そのワープロ専用機の変換の効率性を再現しないことには、マイクロソフトは尊敬されないだろうし、日本での未来は明るくないだろう。

2009/05/30


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