川北英隆のブログ

印鑑商法

あなたは不幸になる。地獄から先祖が助けを求めている。そんな言葉に騙されて、厄除けのために印鑑を買う。いつもながらの構図である。
被害者は気の毒だったと思うが、一方で「何故、そんな単純な言葉に惑わされるのか」との疑問が生じる。赤の他人に、自分自身の不幸が見通せるのか。多額の現金を手渡して安い石に彫られた印鑑を買わなければならないのか。多分、言葉が巧みだったと思う。しかし、その言葉に何の疑問も感じなかったのだろうか。
日本人は真面目でお人好しなのだろう。競争というか激烈な戦争に曝されていないから、すぐに他人を受け入れるのだろう。それも、人懐こく、すり寄ってくる人物に弱いらしい。街角でビラを配るのに出会う度に、このような風景が世界の他の場所にあるのだろうかと思う。そんなに海外を経験したわけではないので、もしも同じ場面に出会ったのなら教えてもらいたいものだ。しかも、そのビラを多くの人が受け取っている。大阪人なら逆にティッシュを要求して、花粉症の対症療法に使うのだが。
フリーランチはない。第一にこの真理を頭に叩き込まなければならない。フリーランチがごろごろしているとしても、それを他人に教えまくるお人好しがどこにいるだろうか。
宗教を否定するものでもないし、山に登れば敬虔な気持ちになる。しかし、宗教で現世が救われるものではない。ましてや、印鑑や壺を買った程度ではダメだろう。宗教が望みをかなえてくれるとすれば、それは当人の意志と努力の賜物だと思う。要するに、学校での実践的な社会教育が必要だということだろうか。

2009/06/14


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