川北英隆のブログ

ミシュランの残念

昨日、ミシュランの星が大阪と京都に降った。どこに降ったのか、いろいろ不思議な具合だ。前にも書いたが、日本料理を外人に評価させて何になるんやと思う一方、外人の好きな日本料理とは何かとも考える。
ミシュランの星を東京人は有難がって、星の本の初刷がすぐさま売り切れたそうな。古い文化の少ない東京だからか、はたまた西洋料理の店が多いからか、まあそんなものかと当時は思っていた。その後、星が一つ降った東京の日本料理の店に偶然行った。庭は風情があった(ただし新しい)ものの、料理は普通だった。
そのミシュランの星が京都にも降った。これで、その星を関西人が有難がるようなら、日本の文化も地に落ちたと評価していいだろう、何て思っている。評価する方に大した罪はなく、東京バージョンがバカ受けだったので二匹目のドジョウを狙っただけである。二匹目のドジョウを許すのなら、許した方が悪い。
それはともあれ、どこに降ったのか、ネットで名前だけ確認した。知っている店で、降った星を評価してみると、「それなら、降ってもいいのに」と思う店がある。美味いといつも思う先斗町のおばんざい屋に降っていない。星が一つ降った店のうち、梨吉という店には何回か行ったことがある。この店に降ったのは、先の星が一つ降った東京の日本料理の店と比較して当然であり、納得だ。しかし、梨吉には季節によって波があるように思う。その点、先斗町のおばんざい屋には波がなく、いつも納得できる水準をクリアしている。
そうそう、10/6に述べたマツタケを食べていた店も美味い(正確には、美味かった。というのも、当分休業だそうだから)。この店にも、星が降って不思議はない。
まあ最初から予想していたように、外人の好みがあるのだろう。星の数に限りがあった可能性もある。それに、旬に食べて、星を降らせるかどうか決めたわけでもないだろう。旬に行って旬のものを食べないと、その店の日本料理の評価はできない。得意料理がある場合にはなおさらだ。残念。

2009/10/15


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