川北英隆のブログ

北朝鮮とジンバブエ

ジンバブエのことは昨日で終わりかと思ったら、続きがあった。昨年11月、北朝鮮では突如としてデノミが行われた。そのデノミがうまくいかなかったとして、経済担当の大臣?が公開のもとに銃殺刑になったという。
デノミでは旧札が新札に切り替わる。何年間か並行して流通すればいいが、一気に切り替える場合は通貨の交換が伴う。そのときに隠し財産が明るみに出るわけだ。
北朝鮮の政府が何を意図したのかは明確ではないが、国民の間でデノミに対する不満が爆発していたとの記事を何回か読んだ。
一気に通貨を変えようともしたらしい。そうすると、紙幣を手元に置くことが無意味に思えてしまう。いつ何時、再度デノミが行われるかもしれないからだ。品物に買えておいた方が何倍もの価値があると思えてくる。要するに、通貨に対するリスクプレミアムが生じてしまう。ジンバブエも4度デノミがあり、ついに自国通貨が崩壊してしまった。100兆ジンバブエドル札は3度目のデノミの末期に登場した。北朝鮮の通貨も末路への道を歩んでいるのかもしれない。
それにしても銃殺はすごい。明治以前、鴨川の河原で処刑された罪人の話を思い出す。いけにえであり、見世物であり、為政者の言い訳でもある。

2010/03/18


トップへ戻る