川北英隆のブログ

妥当な給与水準とは

ネットのニュースで一番良く見るのが読売新聞である。その記事に、「経営再建中なのに・・・銀行員給与、新生が1位」というのがあった。読売の経済記事は嫌いではないが、こればかりは不適切な記事である。
記事によると、昨年度1年間の銀行員1人あたりの平均年間給与の1位が新生銀行、2位がみずほコーポレート銀行、3位があおぞら銀行、4位が静岡銀行、5位が三菱東京UFJ銀行とある。1位から3位は要するに旧長信銀(興銀、長銀、日債銀)である。店舗が少なく、窓口の女性の比率も少ない、いわゆる総合職の比率が高い。だから給与が高くなる。
近くに新生銀行の京都支店があり、便利だから口座を開設した。その時の印象は、いわゆる銀行ではなかった。機械つまりATMと、ちょっとトゲのありそうな(つまりちょっと美人系のという意味の)お姉ちゃんがいて、対応してくれる。これはシティバンクの真似であるが。
新生銀行やあおぞら銀行の経営がどうで、公的資金が入ったままでという議論の前に、商売の仕方の違いを考えてやらないと可哀想である。
いろんなところで、銀行員だったら同じような給与で、国家公務員やその系統の機関は同じような給与でかつ民間を超えてはいけないという議論がまかり通っている。無駄飯を食っているという感情もわかるが、他方で多様な仕事のやり方と、能力があってちゃんとした仕事をしている者に高い給与を払うことを認めてやらないといけない。表面だけを見て、足というか給与の引っ張り合いをする社会に未来はない。
日本がデフレに陥っている要因の1つは、表面的な結果の平等主義があるように思う。井戸端会議社会に陥っているのだろう。それを煽っているのがマスコミである。

2010/08/14


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