川北英隆のブログ

真夜中の電話2

海外旅行中、携帯に電話がかかる場合、携帯が鳴ることを少しは予想して持ち出しているわけだから、まだびっくり度は小さい。今から12年前、会社をサボってハワイの山に登っていたとき、ホテルの電話が鳴ったのにはほんとうに驚いた。
もちろん有給休暇を取っていた。とはいえ、夏休みには早い6月だった。ハワイ島のマウナケアとマウナロアに登るためにレンタカーで東海岸の町、ヒロに入った夜だった。時差があるのと、翌日の山登りに備え、早く寝ていた。
その寝入り端だったと記憶しているが、けたたましい音で目が覚めた。瞬間、非常ベルかと思ったが、目覚めていくと、枕元の電話が鳴っていた。まだ寝ぼけ眼のまま受話器を上げると、部下の声がした。思いもよらない人事の話だった。社内の事情で急な人事異動の相談があったという。人事部の要請のままに承諾するように言って、そのまま寝てしまった。そこは山で鍛えているだけに、ほとんどすぐに寝入った。
まあ、部下としては電話をしないと仕方ないわけだし、こちらはよくぞ電話のあるホテルに宿泊していたものだと思う。その後、電話のない場所で泊まったこともあるが、その時ばかりは部の関係者が困った顔をしていた。ハワイの前例から、「何かあったら適当に処理しといて」と言い残したように思うが。それでも、庶務をしてくれていた女性が「ええー」と悪気なくつぶやいた記憶もある。
今でも、その時の電話の主と仕事でつながっている。時々、その話になる。電話つながりが仕事つながりとなり、将来に向かってどれだれつながっていくのだろうか。

2010/10/03


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