川北英隆のブログ

中部電力の原子力発電対応

菅政権が放った勝負手、原発停止要請に対し、中部電力は役員会を開催したものの、結論を先送りしたという。突然、予期せぬ手を打たれて長考してしまった格好だ。でも、次の手は決まっている。
法的拘束力がないとはいえ、「浜岡原発の停止」要請を無視するのはリスクが大きすぎる。変にあしらえば、その後、政府からどんな意地悪が出てくるのかわからない。それに、可能性は小さいながらも、新しい防潮堤の完成以前に大地震が生じ、原発が少しでも被害を受ければ、「そらみたことか」となる。福島原発並みの被害でも被ろうものなら、非難轟々である。土下座では済まされず、それこそ切腹相当だ。切腹は半分冗談だとして、事故の責任はすべて中部電力にあると判断されるのは必定である。だから、遅かれ早かれ要請に従わざるをえない。
言い方を変えると、従わない経営者はヘボだ。どのように従うかが問題なだけである。
というのも、要請に従う前に中部電力としてしなければならないことが多い。重要なのは、今年夏の電力見通しの再推定、代替電力のための燃料油の確保、他の電力会社との協力関係の構築だろうか。また、浜岡原発に対する訴訟にも影響しかねないので、要請に従う大義名分も整えなければならない。
それにしても、他の電力会社は戦々恐々だろう。最大のものは「奉加帳=原発賠償・保険機構案」への影響だ。奉加帳に署名して資金を拠出しなければ、「原発停止要請」が連発されかねない。
まずは中部電力を屈服させてから、じんわりと「奉加帳」を突きつける作戦が浮かんでくる。さすが、うるさい勝負手を放ったと感心してしまう。自分自身に集まっていた衆目を他に転じさせる名手(鬼手と言ったほうがいいかも)でもある。

2011/05/08


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