川北英隆のブログ

明け方の訪問者

世の中、いろいろ怖いものがある。その中の1つに、深夜から早朝の電話がある。それが間違い電話だったりすると怒鳴りつけたくなるが、残念ながら寝ぼけているから、そこまでの元気はない。
電話が怖いとの話しは以前に書いたように思う。今回はその変形バージョンである。今朝は5時に目が覚めた。心持ち、空が明るくなっている。朝、研究室に行く前にチェックしたいことがあったので早起きするつもりだったが、さすがに5時は早すぎる。というのでもう一寝することにした。
部屋の温度も丁度いいのでうつらうつらしていると、チャイムが立て続けに鳴った。今頃誰だろうと思い、何があったのだろう、ひょっとして家のドアをガンガン叩かれるのかとぼんやり考えていると、ふと気づいた。チャイムの鳴り方はドアの呼び鈴ではなく、マンションの玄関にある来客用のものだと。そこで少し安心してチャイムのところまで行き、スクリーンで確認した。家内が親しくしているお婆さん(といっても元気なのだが)のようだった。
しかし、病院で母親を確認できないくらいだから、同じマンションのお婆さんはましてやだし、まだ寝ぼけていたので、もう少し観察した。やはりそのようだった。何か必死の形相なのも気になったが、応対用の受話器を取って話しかけると、「ドアを開けて欲しい」という。玄関の大きな手動のドアかと思い、「はい」と返事をし、受話器を置き、着替えて下りていこうとすると、またチャイムが鳴った。「ああ、自動ドアのこと」と気が付き、解錠のボタンを押した。
「◯◯さんは海外旅行に行っているはずやけど」と家内が言っていた。朝はそのまま、何があったのか確認することなく、研究室に出かけた。夕方に帰り、家内に「確認した」と質問すると、「今日から海外旅行やったみたい、電話がかからへん」とのこと。パスポートか何か重要なものを忘れたので慌てて取りに戻ったのか。夕食を食べながらいろいろ推論したが、真相はそのお婆さんが帰ってからだ。「お土産が楽しみ」なんて皮算用していると、今朝の姿は亡霊だったりして・・・。テレビの見過ぎか。
追記:家内が「お婆さん」は失礼やろと言った。76歳、一人で海外旅行に行くほど元気だから、何て表現するのか。老人、オバさん、お姉さん、女性、女子、どれもこれも変だし。そのうち適切な表現を思いつくだろう。

2011/10/04


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