川北英隆のブログ

鴨川の萩とシラサギ

大学に向かって鴨川を歩くとして、いつもの経路の1つが二条通りから右岸に入るルートだ。右岸とは、水が流れる方向に向かって右側のことである。
その右岸に下りる石段の横に萩がある。10月になっての数日、石段の上に萩の赤い、それも少し水分が抜けて真紅に近い花が散らばっている。
「萩の花はらはら落とし白鷺の飛ぶ」
石段を下りると川の流れの浅瀬にシラサギがいる。彼/彼女らは(面倒な表記だが、確かに正しい)毎日、小魚を狙っているのだが、ふと考えれば不思議な、異次元の世界を作り出している。来る日も来る日も、流れて来るかどうかわからない魚を当てに水の中を歩き、クチバシで捕まえるのは、人間的に考えてあり得ないことだ。でも、それが現実である。
海外に旅行をした直後、放心状態になることがある。最初のアフリカだったケニアとタンザニアに旅行し、キリマンジャロに登った後に、そのような状態に陥った。「ガイドだった彼ら(女性はいなかった)はこの瞬間もまた、キリマンジャロに登っているのだろうか」、「昨日の客と、今日の客とを区別できるのだろうか」と思うと、日本から心が離れる。
横道に逸れると、その帰国した翌日は休養日とし、家で時差調整ために寝ていた。と、突然会社からの電話があり、用件は忘れたがいろいろ質問してきたように思う。講演を予定していたのだろうか(手帳を見ればもう少し確かな情報になるが、手元にはその手帳がない)。当時は時差の影響が大きく(若かったからか)、半分寝ながら答えていた。
旅行は非日常的なことを追い求める象徴の時間だ。非日常性を追求するためには、旅行以外にも、多くのイメージを得るための手段がある。ネットを通じたゲームがそうだろう。とはいえ、その追求が妄想になってはいけない。現実を念頭に置いた非日常の追求であり、その実現度合いを評価すべきだろう。非日常であればあるほど、楽しさが増す。
鴨川の詐欺違うサギを見ながら歩く時も、非日常に少し迷い込む楽しい時間帯だ。

2011/10/14


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