川北英隆のブログ

冴えない一日の始まり

東京を早朝に発ち、京都に帰ってきた。観光シーズンかつ休日なので新幹線は混雑していた。グリーン車を予約した。「こっちは空いてる」とゆったり寝ていると、名古屋から隣に姉ちゃんが来た。
グリーン車もほぼ満席になった。しかも荷物をたくさん持った人が多い。隣も荷物を棚に上げ、さらに足元にも荷物がある。しかも、弁当を買い、それをテーブルに置いたまま寝てしまった。京都に近づいたので、座席をもとに戻すと、その振動が伝わったのだろう、ようやく起きてくれた。テーブルの荷物を片付け、足元の荷物をどけてくれたので、なんとか通路にでることができた。空いているはずのグリーン車が混むのは久しぶりの経験だった。グリーン車は金曜日の夜やゴールデンウイークの前など、普通車が混んでいる時に使っているのだが、大抵は隣に人が来ない。
改札を出て地下鉄のホームに降りて、ふと背中が軽いのに気づいた。ブログで褒めた例のユニクロのザックを背負っていたのだが、それがない。ザックのことは新幹線中でも意識していたし、忘れないようにベルトの端を網棚から少し出しておいたのだが、隣の姉ちゃんに気を取られすぎたようだ。
もう一度新幹線の改札まで戻った。列車が新大阪に着く前に見つけてもらわないと終点の博多まで行ってしまいかねない。新幹線の案内所に行き、新大阪駅に連絡してもらった。探し出せたかどうか後で連絡すると言われた。見つかった場合、どこに取りに行けばいいのか質問したら、新大阪、最悪は博多だとのこと。「ええっ」という顔をしたら、「着払いで送ることもできる」と言ってくれた。アメリカ人なら半分楽しそうに言うのだろうが、もちろん相手は日本人だから、事務的な手順を踏んで説明しただけだ。
無事、ザックが新大阪で見つかったとの連絡があった。新大阪に電話し、ザックを送ってもらう手配もした。「やれやれ、これで一件落着」と、のど飴でも舐めながらと思い(実は飴は噛むものだが)、「冴えない一日の始まり」を書き始めたら、飴がやたらと固かった。「何や」と思い、固いところをつまみ出し、「大きな石やん」と一瞬思った。でも、光っている。歯の詰め物だった。飴にひっついて剥がれたようだ。
ほんまに「冴えない一日の始まり」になった。テレビで特集していたダイハードのミニ版みたいなものだ。向かいに歯医者があり便利なものの、今日は残念ながら休みだし。

2011/11/03


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