川北英隆のブログ

カメルーン山(Mt. Cameroon)2

第二小屋は高度が高いものの、一応、扉と板敷の床のある小屋である。床の下にはネズミがいて姿を見せるものの、寒さはしのげる。夜中、トイレに行くと、海岸付近の街の灯も見えた。
小屋から再び登りとなる。キク科のドライフラワー状の植物も咲いている。ラバーチューブ(溶岩のトンネル)が現れると3700メートルの台地が近い。台地はちょっとした外輪山の雰囲気であり、その台地の上に4000メートルの頂上群が盛り上がっている。そのうちの1つは爆裂口を持ち、今でもガスを吹き上げている。
第三小屋はその台地の中にある。その小屋から、爆裂口のあるピークを右手から巻くようにして頂上を目指す。歩いている下は依然として活動しているらしく、登山道の横に小さな噴気口もある。4000メートル付近まで登るとようやくカメルーン山の最高点を望めるようになる。地表に生えるのはコケだけになり、ツンドラ(永久凍土)がすぐ下まで覆っているようだ。
頂上は晴れていたが展望はあまり良くない。空気が草を燃やした煙で汚れている。頂上まで4時間半かかった。
下りは別ルートをとった。溶岩の覆った斜面を下る。富士山の須走りのようだ。3000メートルまで下ると、広い溶岩台地になる。その台地を抜けるのに2時間程度かかる。付近にはいくつも寄生火山がある。その寄生火山の上に石油会社や軍の通信施設(アンテナ)が設けられている。
台地から下りはじめて、「これでキャンプ地に着く」と安心したが、まだ早かった。1999年に噴火した寄生火山の横を通らないといけない。新しい火口がいくつも連続していて、異次元の世界である。植物が生えていない。そんな地点を30分程度歩くとようやく植物が生え始め、もう一下りで熱帯雨林の縁に着く。そこがマンススプリングのキャンプ地である。2400メートル地点である。よく分からなかったが、キャンプ地の下に名前のとおり水場があるらしい。合計10時間の行程だった。
写真は、上がカメルーン山頂上、下が噴火口の連なりである。なお、Wikipediaのカメルーン山の写真は下の写真であり、頂上のものではない。
_F9H0129カメルーン山.JPG

_F9H0201噴火口1999年.JPG

2012/02/13


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