川北英隆のブログ

最近の若者

という題で語るのは、「年寄りやね」と言われかねない。そう言われても仕方ない年齢なので、あえて書くことにする。実際、大学や大学以外の場所でいろいろと思うからだ。
一番感じることが、男(注意しておくが、男子ではない)が保守的なことである。明らかに非常な財産を持っているのに、それを積極的に活用しようとしない例もある。経済学的に言うと、財産が減ることには大きな効用の低下を感じるのだが、増えることには効用の上昇を感じないのだろう。要するに、同じ額だけ財産が増えるか減るかに対し、感じ方が著しく非対称的だと思える。だから、現金もしくは預金で財産を保持するのが最良の選択となる。さらに言えば、海外に打って出るなんてとんでもないことであり、じっと日本の閉じこもるのが望ましいということになる。
同じことながら、就職は大企業を目指しており、安定志向が強い。もちろん例外もあるから、安定志向が目立つと言いたいだけだが。考えてみれば、現在の花形企業がいつまで持つのか保証の限りでないし、むしろ過去の事例では、少数の企業しか将来において花形として残れない。花形企業に就職するのは、最高値で株式を購入するのに似ている。
次に個性が乏しい。テレビを見ていても、少し見た程度では、誰が誰だか分からない。同じ髪型で、顔の化粧まで似ているから。平均値付近の居心地がいいのだろう。この点、女(女子ではない)の個性の方が強い。男と比べ、家庭の期待が少なく育ったので、比較的自由奔放なのだと思っている。今後の日本を背負うのは、多分、女だろう。しかしながら、日本の社会制度は女を大切にしていない。現実に対する認識不足である。ただし、日本の女が優しすぎることも要因だろう。
もう1つ、これは若者だけではないのだが、先読みが不足している。廊下を歩くとき、後方に注意が行き届いていない。これはまだ許せるとして、前方も見ていない。これでは社会人として失格だ。狭い登山道で、オバちゃんの一団が「どいてえな」と叫びながら、危なっかしい足取りで下ってきたことがあったが、それ以下である。差別用語を徹底して使えば(僕自身もどれかに含まれるからいいと思う)、近眼か遠視か老眼か、そんな行動パターンである。
そんな行動で他人の邪魔をするだけなら、怒られれば終わりである。しかし、不注意から「生き馬の目を抜かれる」事態に陥ったらどうするのか。「馬さん、ごめんなさい」どころではない。

2012/07/20


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