川北英隆のブログ

電力に関する意見聴取会

政府はエネルギー・環境政策に関する意見聴取会を開いている。その席で電力会社の社員が意見を述べ、猛烈な批判を受けた。変な政策を巡る、変な議論である。
そもそも、各地で個人から意見を聞くというのは「みせかけ」、つまりアリバイ作りの政策にように思える。そんな数人の意見を聞いて、そこから賢明な政策を引き出せるのだろうか。一般の個人にとっては十分な情報がないから、どうしても主観的な意見になってしまう。それでも国民の意見を聞きたい、それを尊重したいというのなら、とにもかくにも国民投票だろう。意見公聴会は中途半端すぎる。
そんな意見聴取会だが、そこで電力会社の社員が原発推進を支持する意見を述べたため、非難が殺到した?という。そこで経済産業省は、電力会社関係者の意見表明をさせないように指示した。これに対し、電気事業連合会(電力会社の業界団体)は、この経済産業省の措置はおかしいと文句を言った。何とも深遠な議論が展開している。
そういう公聴会で、それも抽選で参加者を決める場で、利害関係者が申し込めること自体が変である。そもそも、今回のような意見聴取会があることを知っている「一般人」はほとんどいないだろう。そんな中、電力会社の社員が参加すれば、八百長だと見られることは(たとえそうでないとしても)必定である。アリバイ作りとして意見聴取会を開くのであれば、電力会社の社員を参加させるのはヤブヘビでしかない。現実には参加させたわけだし、電力会社もそれを希望している。やはり電力に関して、世間離れした経営や政策が行われてきたとしか理解できない。
このような日本の電力制度は、一度ご破算にしたほうがいいのだろう。原発事故が転じて福となるチャンスでもある。とはいえ、この多大な犠牲とコストを払ったチャンスを、本当に日本は活かせるのだろうか。

2012/07/21


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