川北英隆のブログ

日本の電力政策と株価

日本の電力政策が定まらない。大震災から1年半が過ぎたのに、原子力発電を巡る議論は収束する気配がない。そのとばっちりは産業界全体に及んでいる。別に経団連の肩を持つわけではないが。
原発を再開しないのなら、少なくとも当面のところ、電力料金は高くなる。電力料金を上げたうえで、原発を継続するのか、廃止するのかを問わないと、公平ではないだろう。「現時点で原発がなければこのくらいの料金になってるけど、ええんか、どうするんや」とは聞かず、抽象的に原発への賛否を問うたとすれば、一般的な意見は「ない方がええ」となに決まっている。東電は値上がりする(した?)が、「そんなもんは大事故の影響や」で済まされてしまうだろう。
要するに、今の政策は場当たり主義に徹してしまっている。何が大衆に受けるのか、それが唯一の判断基準なのかと思える。例外として、消費税問題があった。野田政権として、これだけは歴史に名を刻みたいという誘惑が勝ったのだろうか。
それ以外は、今回の小島を巡る問題に象徴的なように、タイミングも、その波及効果も考えず、状況に流されて決めてしまっている。中国側の対応を非難できた代物ではない。
電力問題に戻ると、政府が何も決めないから、このままだと今後も冬と夏のピークが来る度に節電要請が続くのだろう。それには(好ましくないことだが)一般の耐性ができつつあるとしても、どういう発電政策を基準にすべきかが不明確なため、電力料金が定まらないのも事実である。
この結果、1つは、企業として日本で活動を続けるべきか、海外に移転すべきなのかの意思決定が困難である。企業全体が発電政策の決まり方(ぶれ方)によって大きなリスクを抱えていることと等しく、日本企業全体の株価に悪影響を及ぼしている。
もう1つは、電力会社の赤字が続いている。このままだと、電力会社は企業として成立しないだろう。電力会社は個人株主が多い。その個人株主は大損している。これではますます株式投資に対する不信が募るだけである。
いずれにせよ、電力に関係して、日本の企業活動と証券市場政策はまずいことになっている。もちろん、以上は今の政権にとって、まったく考えの及ばない領域での議論だろうが。

2012/09/21


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