川北英隆のブログ

五粮液を飲む

五粮液(ウーリャンイエ)をもらったので飲んだ。美味いので感謝だ。今は貴州茅台酒と並ぶ中国の名酒とされる。両方とも白酒、すなわちコーリャンを主な原料とした蒸留酒である。
五粮液は四川省の酒である。原料はコーリャン もち米 うるち米 小麦 とうもろこしとのこと。アルコール度数は52度とある。独特の強い香りがする。家内に言わせると「熟しすぎた梨に近い」らしい。確かにそんな感じがする。もっとも、飲むと少し甘みがあり、美味い。
人生、最初に飲んだ白酒は汾酒という銘柄だった。東京に出てきて最初の頃、新宿の伊勢丹の地下売り場に並んでいるのを見つけた。アルコール度数が確か60度程度だったので、珍しいと思い買った記憶がある。どちらかというと臭い酒で、水で割ると薄く白濁した。あまり飲まないままにしてあったが、ある日気づいて実家に持って帰り、父親に飲ませた。と、「戦争で中国にいた時に飲んだ味で、懐かしい」ということになり、「もう1本、ついでがあったら買ってこい」となった。その父親が「焼酎だけは飲みたくない」と拒否していたのは不思議である。汾酒の方が余程癖があるから。謎解きをしておくと、若い頃に焼酎で非常な悪酔いをしたのだとか。
五粮液を最初に飲んだのはタイに居住しているF氏と上海に行った時だと思う。当時(15年程前)、すでに茅台酒は有名で高かったが、五粮液はきわめて安かった。そこで通りの食料品屋で買い、ホテルに持ち込んで飲んだ。白酒ながら汾酒よりも飲みやすく美味かった。もっとも、同じ時に飲み比べたわけではないので、どちらが美味いのか、真偽の程は不明だが。
当時はほぼ毎年、上海に行っていたが、行く度に白酒の値段が上がっていた。そのうち、五粮液は中国でもびっくりする値段になっていた。
今回もらった五粮液はどのくらいするのだろうか。高級酒だから当然のごとく立派で透明なプラスティックの容器に入れられ、容器の開け口には厳重にシールが貼られていた。時代は大いに変わったのである。

2012/11/04


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