川北英隆のブログ

京都の店・福松

東京のK氏が、雑誌編集のための取材を岡山で終え、京都にやってきた。僕は東京で仕事を終え、京都に戻った。お互い、旅行のついでに京都で下車して、では夕食をという雰囲気である。
場所はこれまで歩いたことのない衣棚(ころもだな)通りにある福松という店だった。K氏がどこかの情報誌で知って、行きたいと思っていたとか。衣棚通りは路地とも言える細い道だ。昔の京都の道は人がすれ違うのにやっと、侍がすれ違うと刀の鞘が触れて喧嘩になると書かれていたのを読んだことがある。まさにそういう通りである。
福松はそんな通りに面していて、町家なのか蔵なのか、建物を2軒に割った片方を使っている。席は掘り炬燵式のカウンターである。
最初は、座ると「一汁三菜が決まり」とかで、粕汁、刺身と菊菜、ハタハタの焼き物、前菜盛り合わせが出てくる。その後は単品メニューから適当に注文することになる。我々は、ノドグロの焼き物、雲子(タラの白子)のポン酢、鯖の炊き込みご飯を頼んだ。単品は量があり、2人で十分シェアできた。飲み物は日本酒が揃っている。
一汁三菜は美味い。前菜の中に入っていたモロコが気に入った。単品はノドグロの焼き物と鯖の炊き込みご飯が良かった。それで鯖の炊き込みご飯だが、ご飯を炊いた後に塩をした鯖の切り身を入れ、蒸らすそうだ。塩の効いた臭みのない鯖の味がして、「こういう食べ方があるんや」と納得した。値段もリーズナブル。満足できる店だった。

2012/12/15


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