川北英隆のブログ

ベトナム少数民族

中国雲南省の国境地域には少数民族が多い。雲南、ラオス、ベトナム、タイ、ビルマにかけての山岳地域に少数民族が追いやられ、条件の悪い地帯での生活を強いられているとの表現が正しいだろう。
これまで、これらの少数民族地域に足を踏み入れたことはほとんどない。ビルマのマンダレーから北東部に行った程度か。今回、ハノイから北西へ約300キロ、国境のラオカイに鉄道で入り、そこからバスで南東に30キロ、山道を上がった。舗装されていた。着いたのは標高1600メートルのサパという町である。フランス人が避暑地として利用したという。いわばベトナムの軽井沢である。
サパの周囲は少数民族が暮らしている。生活手段は段々畑での米やトウモロコシ作りである。ハノイ近郊では二期作、サイゴン周辺では三期作も可能だが、サパ周辺では一期作しかできない。12月から1月にかけて雪になることもある。それだけに貧しい。
とくに少数民族の少数であるザオ族は貧しいようだった。女性は赤い帽子のような飾りを頭にしているのですぐに見分けられる。刺繍を土産物としてサパを中心に売っている。テーブルクロスが1枚1000円程度である。それでも高いのだろうが、地域にお金を落とすのがいいと思い、1枚買った。
そのザオ族は今でも漢字文化を伝えている。写真はザオ族の家でも見せてもらった漢字の書物である。何が書いてあるのかは分からない。しかし、こういうものが伝わり、それを読んでいることが文化そのものである。
ザオ族の漢字.JPG

2012/12/31


トップへ戻る