川北英隆のブログ

貿易統計2012年12月

昨年12月の貿易統計が発表された。その結果は依然として厳しいものだと言わざるをえない。輸入は依然として微増を続けている。輸出は、季節的に増加する12月にしては力強さがなかった。
通常、研究室にあるデータベース端末を使って分析するのだが、今日は自宅で作業中であり、インターネットを使った分析である。このため、今回入手できるデータが限られている。
このような限定的状況で分析したところ、まず、生の数値(原数値)で6415億円の赤字(輸入超過)に目がいった。一昨年(2011年)の12月は2083億円の赤字にすぎなかった。さらに1年遡ると(2010年12月)、7196億円の黒字である。この落差分だけ、日本と海外との資金の流出入において、日本からゼニが逃げ出していることを意味する。
この赤字の原因は、1つに輸出が底ばいを続けていることにある。一応、減少が止まったと見られるものの、上昇に転じたかどうかは依然として不明である。輸出数量が前年比で10パーセント台の低下と不振である。輸出価格は多少持ち直しているようだが、数量が増えないかぎり安心できない。もっとも、アメリカ経済のゆっくりとした回復、それに伴うアジアの持ち直し、ヨーロッパの最悪期の脱出、これに加えて円安という明るい材料があるため、現時点が底だろうとは推論できるものの、まだ「現実の証拠がない」わけだ。
もう1つは輸入の増加である。この要因は原発停止による燃料費の増加に加え、12月には円安も生じた。12月の平均為替レートは82.34円/ドルなので、円安効果による輸入の増加は当分続くだろう。
以上から、貿易統計での輸入超過の状況が解消する見込みは当面ない。いつ解消するのかも不明と考えておくのが適切だろう。

2013/01/24


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