川北英隆のブログ

新聞報道が市場への不信要因

いつか書こうと思っていたことがある。それは、親しい新聞記者の方には申し訳ないのだが、報道が株式市場への不信を生みだしていることだ。同じ意見を著名アナリストからも聞いた。
というか、著名アナリストと話しをしていると、そのアナリストが自然と、半分怒りながら、僕が前々から疑問に思っていたことを喋った。そこで「やっぱり誰の思いも同じなのだ」と思い、ここに書くことにした。
その思いとは、今日も日経のネットにある「ドコモ営業益9%減、iPhoneへ流出続く」との見出しに続き、「NTTドコモの2012年4?12月期の業績は、連結営業利益(米国会計基準)が6750億円程度と前年同期比9%減少したもようだ」との「観測記事」の類である。その後、会社側から「観測記事」に近い内容が公表されがちである。新聞記者がアナリストとして企業を精緻に分析しているとは誰も思わない。会社側の誰かが何らかの形で情報を提供している。
新聞社としては特ダネ記事なのだろう。しかし、考えて欲しいのは、新聞だからこのようなニュースを流していいようなものの、つまりマスコミがインサイダーだった情報を社会に流すことでその情報が一般情報に変換されるものの、増資情報が騒ぎをもたらした昨今、一般人がこんなことをブログなんかに書くと(ましてや確度の高い合併の記事を流すと)、インサイダー情報を得ているのではないかとの疑いで捜査を受けかねない。
これにもまして問題なのは、企業側である。社会全体に公表する前の情報を、特定の報道機関にちらっと漏らしていいのだろうか。それが「記者によるインサイダー取引を誘発する」と言うつもりは毛頭ない。李下に冠を正さずだが。
言いたいことは、企業のこのような漏えい体質を外から見ると、「日本企業はインサイダー取引の禁止規制に無頓着」、「特定の関係者に日常的にインサイダー情報を流しているのではないか」との不信感を煽ってしまうことだ。それも、特ダネになるのは今日のドコモのような有名大企業なのだから、大変なことだ。
大企業であれば、記者に漏らす前に、取引所の規定に則り、適時開示として公表すべきである。日本企業はやはり市場感覚に疎いのだろう。

2013/01/29


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