川北英隆のブログ

日銀の混迷

日銀の白川さんが任期満了の前に辞職するとのニュースが伝わった。修士の学生と修了前最後となるだろう飲み会を催している最中だった。「さもありなん」というのが正直な感想である。
先月23日に書いたように、現状において、普通の神経の持ち主であれば誰も日銀総裁になりたいとは思わないだろう。人間として傀儡(くぐつ)になりたいと思わないのと同じことである。白川さんは、現在の副総裁の任期満了以降から自分自身の任期満了までの約20日間、「一人で政府からの重圧に耐えるのは嫌だ、誰でもいいから早く代われや」と言いたかったのだと思う。
政治的手腕はともかく(そんなことに彼は関心なかったのだろうが)、金融政策の実務的手腕において、白川さんは群を抜いていたと思う。もちろん満点ではなかったのだろうが、では現在、噂されている人たちが白川さんを上回っているのだろうか。知り合いも多いので、ずばっとは言い難いものの、少なくとも数人の候補は日本を滅ぼしかねない。妄想を語るだけで、実務能力ゼロの人もいる。そんな人達の誰かが次期総裁となることに耐えられない、粛々と総裁の職務を引き継ぎたくないと思ったのだろう。そう推察してしまう。任期満了まで20日程度を残して辞職することが、せめてもの抵抗なのだろう。
この辞職報道を市場がどう受け止めたのかはともかく、その直後に円が売られている。それでも「円安が絶対に望ましい」という流れが非常に怖い。少なくとも日本の製造業は、目先の利益はともかく、安価に海外展開する千載一遇のチャンスを逃してしまったように思う。絶好球を見逃し、三振していなければいいのだが。
いずれにせよ、しばらく間をおいて白川さんに直接会い、現在の政府の金融政策に関する方針と円安に関する見解を聞きたいものだ。

2013/02/05


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