川北英隆のブログ

エチオピアの輸送手段

エチオピアは内陸国である。昔の地理でアフリカのことはあまり習わなかったが、内陸国と聞いて、「少し違うのでは」と思った。実はエリトリアが1993年に独立するまではエチオピアには海があった。
現在、エリトリアとエチオピアの関係は悪い。このためエチオピアの輸出入はジブチ(紅海の出口にある小さな国)に頼っている。その道路は地図情報によると舗装されているようだが、通っていないので実態は不明である。その他の都市間の道路は以前に少し書いたように、整備されていない。
そもそも地方に行くと車が少ない。首都のアジスアベバにはベンツ(トラックではなく乗用車のベンツ)も走っているものの、地方で乗用車を見ることはほとんどないし、トラックもあまり走っていない。
では物の運搬はどうしているのか。水や柴などの軽いものは人間が運ぶ。重いものはロバやミュール(父親がロバで母親がウマの子供)による輸送が主力のようだ。4000メートルの峠越えの舗装されていない道はもちろん、普通の峠もたくさんのロバが荷物を運んでいる。都市ではロバやミュールが車を引いている。写真は町の市場で見かけた風景である。どの町でも普通に見ることができる。石油は輸入品で高いから、動物の力を輸送に使うのは自然な発想だろう。そういえば耕作も動物の力である。
動物も人間も労働で鍛えられ、オリンピックでは力を発揮する。とはいえ、経済的な生産性はきわめて低い。8000万人以上の人口をかかえ、かつそれが爆発している。これからどうするのだろうかと考えてしまう。
エチオピア馬車.JPG

2013/03/16


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