川北英隆のブログ

シャープとパナソニックの行方

ニュースを断片的に追っているせいもあるのだろうが、日本を代表した企業のシャープとパナソニックの目指す方向がよくわからない。とくにシャープがそうだ。投資家として、明確な答えがほしい。
パナソニックは次々に事業部門を売却している。結局のところ何が残るのだろうか。買収した三洋電機の事業はどうなるのか。個人的には三洋電機の製品を評価している。ただし、小物の家電である。大物として、リチウムイオン電池はどうなったのか。
そもそもパナソニックは、かつて多数上場していた子会社を次々に吸収し、事業の集中を試みた。最後は松下電工である。しかし、それらを統合したものの、すべてがブラックホールに飲み込まれ、結果として何も残らなかったのではないかと思えてくる。何回も書いたが、松下電産の株式で儲けた投資家は、ここにきて過去の儲けのすべてを失ったと思う。株価が高値にあった時の配当はびっくりするような水準でもなかったし。
このパナソニックよりひどいのがシャープだろう。何をしたいのか、経営者のリーダーシップが欠如しているように思う。海外企業から資本の増強を受け、経営の安定化を模索しているものの、すべては小出しの提携に留まっている。台湾企業との提携は結局、破談となった。
要するにシャープとして主導権を残したいのだろう。国内企業との提携は論外、海外との提携であっても、弱味を見せた提携はありえないのだろう。伝統的な日本企業を代表するスタンスである。しかし、客観的に考えて、そんな殿様商売をやっている余裕があるのか。まだまだ液晶技術で優位にあるとの内部評価なのだろうが、非常に疑問である。20年程前、僕としてシャープの製品(そのすべては撤退となっている)を愛用したのはもちろん、実家に近い企業だったシャープを応援しているものの、これでは株式を長期保有したいと考える理由が何もない。

2013/03/18


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