川北英隆のブログ

貿易統計2013年5月

5月の貿易統計によると、輸出入の差額は約1兆円の赤字となった。5月としては過去最高の赤字額だとか。季節性を調整した数値では、2011年3月から赤字が続いている。
もっとも、赤字の金額は、傾向としては頭打ちのようだ。3ヵ月の平均値を計算してみると、今年初めが赤字のピークだったように見える。もちろん、現時点でも赤字の水準は依然として最高値に近いが。
赤字が峠を越えたように見えるのは、輸出が徐々に増えているためである。輸出数量も増え、金額も増えている。円安の効果だろう。数量の増加は今年に入って続いている。アメリカとアジア向けである。品目では、電子部品の輸出金額の増加が目立つ。輸出の主力商品の1つだけに、寄与度が大きい。
一方、輸入も高水準が続いている。これは円安による価格上昇効果が主である。輸入数量は高水準にあるものの、今のところ増加する気配はない。もっとも、品目で見ると、電気機器の増加が目立ってきている。自動車を含めた機械類の輸入が増えると、「輸入=燃料・原料」との見方を変える必要が生じてくるだろう。

2013/06/19


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