川北英隆のブログ

東京電力株の追加説明

東京電力株に関して、TOPIXを真似る投資家がいて、彼らが「投資の意味のない東京電力株」を必ず入れるのは「アホやん」と書いた。何のこっちゃら理解できない向きも多いと思い、説明する。
株式投資にはいくつかのパターンがある。その中で、日本で崇められているのがインデックス運用(パッシブ運用とも言う)である。投資理論を信奉し、「市場」をそっくり真似るのが望ましい(労せずして十二分な投資収益が得られる)と信じている投資方法である。
その理論では「市場」は抽象的なものであるが、それを日本ではTOPIXとみなす投資家が多い。
そのTOPIXを真似る具体的な方法はいくつかあるが、いずれにしても時価総額の大きな東京電力に投資しないのはインデックス運用にとってデメリットが大きい。デメリットとはTOPIXを真似られない度合であり、これをトラッキングエラーと呼んでいる。日本人は几帳面というか、そこに2文字付くから、何がなんでも一度決めた「市場」、この場合はTOPIXを100%近く真似ないと気が済まない傾向が強い。
では、東京電力を外すとトラッキングエラーがどの程度になるのかを概算してみた。
そうすると、2012年12月末から2013年5月末までの場合、東京電力を外すとTOPIXよりも価格上昇率が0.14%劣ってしまう。東京電力株が思惑で暴騰したからである。これだけ劣ると、トラッキングエラーの領域を超えている。
逆に、5月末以降9月初旬までの場合、東京電力を入れると市場よりも0.05%勝る。これも無視できないトラッキングエラーである。
以上から、インデックス運用の投資家にとって、東京電力を入れないことは許されないか、無視できない影響を投資パフォーマンスにもたらす。ということで、常識的にはインデックス運用にとって東京電力を外すことは大胆すぎる。実態を調査したことはないものの、インデックス運用から東京電力を外している(もしくは東京電力の値動きを無視している)投資家は例外的だろう。
とすれば、長期の投資家である年金が東京電力を組み入れる実質的、合理的な理由(「インデックス運用だから」というような形式的でない理由)を聞きたいと思ってしまう。長期的に的に無配が続く、ひょっとすれば上場廃止になりかねない株式に、どのような理由で投資しているのかの説明である。最悪、来年に大手投資家に対する質問のチャンスがあるから、そうしてみるか。

2013/09/09


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