川北英隆のブログ

ノーベル経済学賞と日本の期待

今年のノーベル経済学賞にエール大学ロバート・シラー、シカゴ大学ユージン・ファーマ、同ラース・ハンセン教授の3人の受賞が決まった。ともに資産価格の形成に関する実証研究で知られる。
この受賞に対して大学の同僚である依田高典氏のコメントは(行動経済学の立場から発言したのか)「日本人が受賞するにはもう10年くらい必要かもしれない」とのことらしい。日経のネット版で、無料で見られる数行だけの情報だが。
その逆に、僕なんかは、「へえー、そんなに近くまでノーベル経済学賞が下りてきてるのや」と思ったものだが。もっとも、実証分析が受賞するのには、彼らの活動の背景に世界最大のアメリカ経済があるのも事実である。
とはいえ、日本経済も捨てたものではない。この20年以上の日本の停滞の歴史を実証的に分析し、理論にまで高めることができれば、それが世界経済というか世界の証券市場に対して大きな貢献となるはず、受賞に値する。
ということで、賞がすぐ近くにあると思い、若手の研究者には頑張ってほしい。それには、理論と現実を結びつけるだけの幅広い経験と発想が必須だとは思うが。つまり、アメリカの研究を真似するだけ、重箱の隅をほじくるだけの研究から離れないといけないのだが。

2013/10/14


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