川北英隆のブログ

弱い犬とハロウィン

というブログの題に大した意味はないが、それで思い出すことをつれづれに。昨日の小学校時代の思い出の続きでもあるし、驚きとは何なのか少し考えた結果でもある。
小学校の3年だったと思うが、僕にとって大事件が起きた。それまで仲が良く、いつも遊びに行っていた同級生N君と大喧嘩した。どういう理由だったか、ほとんど忘れてしまったが、学級委員のことに関係していたと思う。どちらが喧嘩を仕掛けたのかも忘れたが、当時から表面的には温和しかった僕としては、相手が何かいちゃもんを付けたのだと思っている。結果は、取っ組み合いの大喧嘩となった(地面をごろごろしたのを覚えている)が、体力と歯力があったので負かしてしまったと思う(少なくとも喧嘩で泣かされた記憶はない)。その後、N君と一切話さなくなった。覚えているのは、その友達と同じ社宅(大日本紡績)に住んでいたK君が、高校時代だったと思うが、バイクの事故で亡くなったと別の友人から聞いたことである。
昨日、小学校の卒業写真を見ながらN君とK君を探した。K君の顔には見覚えがあったし、懐かしく悲しく思ったが、N君については名前からは「これや」と確認できなかった。「そうかな」と思う程度である。喧嘩が原因で、記憶から故意に消し去ってしまったのか。そもそも大日本紡績はニチボーとなり、そのうちに郡山工場を閉鎖した。今、工場跡は駅前マンション(URかな)になっている。社宅跡も住宅になっているはずだ。N君も、いつかはわからないが、郡山を離れた可能性が高い。
そのN君は活発だった。友達の親のことに関心はなかったが、当時の大日本紡績は日本を代表する大企業だったので、N君の親もそれなりの金持ちだった可能性が高い。冷蔵庫は(テレビもかな)日立製だった。「へえー、すごいな」と見せてもらった記憶がある。1960年当時、冷蔵庫もテレビもある家は多くなかったはずだ。だから自信があったのだろう、N君はよく喋ったと、かすかに記憶している。
話しは飛んで、犬は好きでないのだが、それは小学生時代に噛まれたから。別の友人のY君の家に飼われていて、いつも鳴かない。その犬にいきなり噛みつかれ、指を怪我した。当時、流行ったのはスピッツだった。いつも鳴きまくるのだが、近づくと後ずさりする。その経験からか、音の多い世界に安心感を覚え、逆に音のない世界には不安を感じる。
喧嘩もそうだし、脅しもそうだが、突如として仕掛けられると驚いてしまう。仕掛けた方としては効果が大きい。逆にいつもキャンキャンやられると、またかと思ってしまう。小学校時代を思い出し、そう感じた次第である。
そんなことを思い出しながら、近くの店に買い物に出掛けた。その店と同じビルにはハロウィン向けのグッズがわんさかあった。「誰がこんな異邦の行事に関心を持つのや」と思いながらその前を通ると、姉ちゃん達がグッズを物色している。「へえー」と思うとともに、「でも、普段から急に顔を出されるとびっくりしてしまうさかい、グッズで変装しても効果がないやん、普段通りでええで」と思った次第である。

2013/10/14


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