川北英隆のブログ

日本人の株式投資の誤り

昨日、東京から訪問客が2人来た。通常はこちらが東京に出向いたついでに話しすることが多いので、昨日のような例はまれである。で、何を語ったのかというと、日本の株式市場の問題点だ。
そもそも株式市場が日本だけで成り立っていると思ってはいないのか。
日本の株式市場が黄金期だった時代ははるか昔になった。1990年代以降を振り返ってもらいたい。日本株に投資して、市場全体として利益が得られたのかどうかである。配当を含めたとしても、投資収益率はほとんどゼロに近かったはずだ。方や、海外の株式市場の多くは大きな利益を生み出してきた。この事実を真摯に受け止めないと、証券投資で利益を得ることは夢のまた夢だと思う。新聞のニュースには大きな偏りがある。日本の新聞だから、日本企業の記事が中心になるのは当然だろう。このことも念頭に置かないといけない。
具体的に、昨日の議論の1つは、グローバルに株式市場を評価し、実際に投資している投資家が少ないということだった。日立とGEの比較に象徴されるように、世界基準で見て正しい分析と投資を行わないと、投資資金が泣いてしまう。
もう1つの議論は、投資家の怠慢に関してである。かつては株式持ち合いが日本市場を退化させた。それと同じことがインデックス運用(パッシブ運用)によって生じている。株式持ち合いがダメ企業を甘やかしたように、インデックス運用が今もダメ企業を甘やかしている構図だ。「議決権行使があるやん」ということだろうが、株式購入という飴を与えた後で議決権行使しても何の意味もない。企業からすると「アホな投資家」と思うだけだ。
以上の議論をした。いずれにしても日本は形式的すぎる。家元制度が発達しすぎたせいなのだろうか。形式が生まれた背景に何があるのか、常にそのことを問いながら行動しないといけない。

2014/01/11


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