川北英隆のブログ

株価と円相場見通し・追加

昨日のブログ、「今年の株価と円相場見通し」に対して反論が来たので、それへの回答を含め、追加で書いておきたい。
1つは、「貿易収支の赤字黒字は自国通貨安が得か損かの判断基準にはなり得ない」というもの。
この反論は当然である。ブログの説明が前提を飛ばして書いていたから。前提とは、日本の貿易収支が赤字基調に転じたということである。このため、円ドルレートが大きく変化したところで、貿易収支の赤字が黒字に転じることはないと考えている。言い換えれば、日本は差し引きして常に海外から物を買っていることになるから、円の評価が低下すれば(円安になれば)、それだけより多くの円を海外に払う必要が生じ、この限りにおいて日本経済にとって損になる。
ついでに言えば、かつてのように貿易収支が黒字基調にあれば、円安は輸出業者にとって得になる。経済全体として円安が望ましいとは言えないが。
もう1つの反論は、「円安によって実質輸出はしっかりと拡大している」というもの。
これは現状に対する見方の差でもあろうが、僕は次のグラフから、実質輸出(輸出数量のことと思える)の回復は非常に鈍いか、むしろ緩やかな低下傾向にあると考えている。また、このグラフが、日本の貿易収支が赤字基調に転じたと考える根拠でもある。

輸出入の推移.jpg

2014/01/13


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