川北英隆のブログ

貿易統計2014年2月

公表から10日くらい経った貿易統計に関するコメントを述べておく。結論は、これまでの輸入の増加、輸出の停滞傾向を大きく修正するものではなかった。依然、厳しい状況が続いている。
この2月の貿易統計が公表される前、日経新聞の大機小機に、「日本の貿易構造が変わり、輸入の大幅超過が続く」との評価が「鬼の首を取ったような評価だが、とんでもない間違い」との主旨のコメントがあった。よほど円持ちのポジションを積んでいるのかと勘ぐりたくなるような主観的コラムだった。
例年、1月と2月は日本と中国が正月という大イベントを迎えるため、輸出入の数値が大きくぶれる。とくに中国の旧正月が西暦でいつになるのか、年によって大きく変動する。このため、「それぞれの季節に特有な動きを調整しよう」という統計的な処理は不完全なままである。
ということで、正月効果をさらに均すため、季節調整した後の数値を3ヵ月足して平均してみた。と、2月までの数値に基づいて計算すると、輸出金額は少しずつ増加傾向にある。しかしこれは円安の効果(同じ1ドルの輸出でも、円安によって手取りの円金額が増える効果)であり、輸出量の増加は明瞭でない。他方、輸入量の増加もとりあえず一服している。以上から、2月の輸入超過額が拡大しなかったというのが真相だろう。
正直なところ、消費税増税前の駆け込み需要が輸入の増加をどの程度もたらしているのか不明である。3ヵ月の平均を計算することで、間際になっての変動はある程度調整できていると思うが。駆け込みが一段落する3月の貿易統計が注目される。

2014/03/26


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