川北英隆のブログ

弱小国家ロシア2

3/6のついでだから、もう少しロシアのことを調べてみた。バイカル湖の広がるイルクーツクには行ってみたいと思う。ヨーロッパ便で見るオビ川だと思う大河は感動的。この理由もあり、調べた。
前にも書いたように人口はゆっくりと減っている。世界国勢図会によると、1990年が148百万人、2012年は143百万人である。ウクライナ、バルト3国をはじめ、旧ソ連の国は軒並み人口減少が見られる。寒い国だからかと言うと、北欧3国は減っていないから、やはりウォッカのせいかも。ちなみにロシアの平均寿命は69歳、男性は63歳とある(2011年、WHO)。僕なんか死んですぐというわけだ。だからでもあるまいが、出生率はヨーロッパの中で高い方である。まあ、年寄りが比較的少なくていいかもしれない。
産業構造も特異である。2011年の統計(世界国勢図会)によると、
ロシアは、農林水産業4%、鉱業14%、製造業16%、卸小売業20%、サービス業30%、
米国は、農林水産業1%、鉱業3%、製造業13%、卸小売業14%、サービス業59%、
日本とドイツはアメリカよりも少し製造業の比率が高く、その分サービス業の比率が低い。一方、中国は製造業32%、サービス27%と発展途上国の構成となっている。以上から、成熟した国であるはずのロシアの鉱業の比率の高さとサービス業の低さが際立っている。
ロシアの強みはこの鉱業であり、ニュースでさかんに報じられているように原油、石油製品、天然ガスの輸出である。ちなみに、原油、天然ガスの産出量(2011年)ではともに世界最大である。一方、この時点でアメリカはエネルギーの輸入国(自給率36%)だったから、ロシアに強く出られなかった。しかし、シェールガス革命がこの状態に変化をもたらしている。
ロシアのもう1つの強みはエネルギー輸出によって外貨を稼ぎ、豊富な外貨準備を有していることである。外貨準備高(2012年)は4882億ドルと、中国、日本、サウジアラビアに次いで多い。ついでに言うと、これに続くのが台湾、ブラジル、韓国、香港、インドという具合だ。
もっとも、この貿易と外貨準備での強さが通貨ルーブルの強さに繋がっていないことが悲しいところかも。ブラジルと同様、デフォルトの前科が祟っていると思える。一旦ロシアに集まったゼニが公然となのか、ひっそりとなのかはともかく、ロシアを離れていくことだけは確かだろう。ソ連時代からそうだった。
最後にもう1つ書いておくと、国としてのロシア、中国、そしてアメリカは拡張意欲が強いというか、自己中心的というか、少し抽象化して考えると、似通った特徴があることも確かである。領土の広大さがこの共通点の原因なのか結果なのか、議論のあるところだろうが。

2014/03/09


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