川北英隆のブログ

山の日はいまいましい

昔、同じ部に山口さんという女性がいた。良家の出身らしく、口が小さいのだろう。電話が鳴ると「イマグチです」と応えていた。これを思い出したのは、ヤマヤマしい「山の日」のおかげである。
毎年、8月11日を山の日とし、国民で祝うために休日(祝日)とするとのこと。そんな企てを知ったのは、改正祝日法が成立した当日だった。ある会合で山の日に話題が及んだ。「そんな日を作ったの」と質問するでもなく言うと、「川北さんはどう」と逆に質問されそうになったので、「そんな馬鹿げた日を」とコメントしてしまった。このため、会合に出席していたメンバーのほぼ全員から、「ウソ・・」とも受け取れる声をもらった。
何故、いまいましいのか。まず「山の日」とは、お盆の少し前に休日を設定して国民に旅行させようという、業者の悪巧みだから。こちらは、ゴールデンウィーク、お盆、年末年始に(山歩きを含む)旅行をする趣味なんてなく、できれば避けたいと思っている。混んでいるに決まっている。混んだ所に行ったとして、十分に楽しめるはずがない。
ましてや山で人混みに出くわしたら最低である。山が泣くに違いないし、本当の山好きも泣く。多くの子供に、山好き、自然好きになってもらおうとの発想も台なしである。こう考えると、「山の日」とは程度の悪いギャグとも思える。
そもそも論からすると、サラリーマンに対しては、余っている有給休暇を完全消化することから始めるべきだろう。有給休暇の消化率が90%未満の会社に罰金を課す程度のことをルール化したらいい。サラリーマンの権利ともいうべき有給休暇対策をやらずに、お盆の混雑を助長するような対応なのかと、政府や議員の感性を疑ってしまう。
山の日には家で冷たいビールでも飲んで寝ていようではないか。でも、ほんとうのところ、山の日はビール業界の悪巧みだったりして。

2014/05/28


トップへ戻る