川北英隆のブログ

大学の夏休みは楽しいか

大学で同じ学部・研究科であっても、同僚に会うことは多くない。会って少しだけ話しをと思うと、教授会が一番の機会である。もしくは廊下などでたまたま出会った時か。そんな一場面だった。
先週、同じフロアの年配の教員と廊下で会い、そのまま一緒にエレベーターに乗った。専門領域が違うので適当な話題がない。そこで、「えらく暑いですね」と話しかけた。相手も「そうですね」と言い、さらに「でもこんな暑い時に期末試験だから」と皮肉になった。
そもそも、こんな暑い時期に期末試験とは狂っている。このことは以前にも書いたと思う。では、その理由を書いたかどうか。要するに、15回授業をやりなさいというのが教育審議会のお達しである。その回数をこなそうとすると、数えて欲しいのだが、4月の第2週くらいから講義をスタートすると、7月の最後くらいになってようやく達成できる。4月の最初はどうするのやというところだが、入学式や健康診断をやろうとすると、到底使えない。
企業の人から、「もう夏休みですか」という質問をよくされる。「まだ試験期間なので」と答えると、「昔は七夕くらいに夏休みに入ってたですね」となる。それはそうだが、今の大学の教員は世間、とくに年配者がイメージしているほど時間が余っているわけでない。
これも毎回のように「アホか」と叫んでいるのが、会社の採用活動である。7月に入ってじきに、インターンと称した学生との接触が始まる。そのスタート時期から推察するに、年のいった上層部が「もう大学は休みやろ」と思っている可能性がある。
とはいえ、今週でようやく試験も終わる。もつとも、後は羽を伸ばせるのかというと、そうではない。試験の採点、成績評価をやらないといけない。しかも、最近は研究をしろとうるさい。国からの予算獲得や、外部からの研究委託を受けて大学の予算を潤そうとすると、この時期が最大のチャンスである。
というわけで、大学の研究室で作業をすることになるのだが、先週頃からは毎日のように、「電力使用量が契約量の上限を超えるので、節電せよ」とお達しメールが来る。安月給なためだろう、家でがんがん冷房を効かして研究をするとカミさんに叱られるし、大学の研究室にいると事務から咎められるしで、「どうすりゃいいのさこの私」と思う次第である。

2014/08/01


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