川北英隆のブログ

アジアの発展に欠けているもの

中国での粛正劇を見て思うのは、民主主義でない国、疑似民主主義の国の怖さである。政権が交代すると、前政権者がマスコミから消えるだけでなく、本当に消されかねない。
日本との違いを考えればいい。
かつての日本も賄賂が横行していた。今の世代には信じられない話しかも知れないが、軽い交通事故程度なら、裏から手を回せばもみ消すことも可能だったようだ。
政治も、ニセの領収書を使って数千万円程度をちょろまかすなんて、昭和の世代の政治家からすると噴飯もの、「えらい小者だね」となるだろう。政治家である某O氏の疑惑が最近の事件だろうか。田中角栄という凄腕の政治家もいた。もう少し思い出すと、「塀の上を歩きながら内側に落ちない」と変に感心された政治家もいた。
かつての欧米がどうなっていたのかは知らない。そこでアジアに限定すると、賄賂というか袖の下というか、それが必須の社会が広がっている。その中で現在の日本は、相当程度、賄賂から縁遠い社会に変化していると思う。
他のアジアの国は、新聞報道や現地の人間から聞くところによると、「越後屋、お主も悪よのう」の世界が続いている。今回の中国の粛正劇の場合、1兆円以上の資産が没収されたとも報じられているのには、そのスケールに圧倒される。
いずれにせよ、それが社会の常識なわけだが、国によって賄賂の差し出し方のマナー(?)があるとか。その点をしっかり伝授してもらわないと、現地での商売が成り立たないとも聞く。そういう変なノウハウは、そんな世界から縁遠くなった多くの日本人にとって不得手であり、「やめて欲しい」と思うだろうが。
それぞれの国では、賄賂があることは周知だから、上位者に睨まれればそれで終わりに近い。最上位者にとっては、その地位を守ることがきわめて重要になる。だから、独裁政治になったり、自分の後継者をしっかり選んだりする。もちろん、後継者に裏切られることも想定しておかなければならない。いずれにせよ政権闘争は、名誉だけのものではない。財産はもちろん、ひょっとすれば命を賭けた戦いである。だから、選挙でトップを選ぶに際しても、激烈になり、時には暴力的になるわけだ。
スケールの大きな賄賂の世界は「あな恐ろしや」である。この「あな恐ろしや」の世界が続くかぎり、アジアの真の発展はないだろうと思う。
追記:今の日本に賄賂がないと言ってはいない。政治献金という合法的な賄賂もある。反社会的勢力に近い組織や特権組織にも残っている。他方で、賄賂と一切縁がなく日本有数の組織の長になった例もある。このことを言っている。

2014/07/31


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