川北英隆のブログ

消費関連株投資の成功は自明

株式投資において、通常の投資家が選ぶのは身近な企業である。その選択が正しいのかどうか、事前に分かる方法はないのか。実は「ある」と、経験上思っている。このことを少し述べたい。
要点は簡単、日頃接している同業他社の中でどの企業に好感が持てるのかである。もちろん、たまたま値引きしてもらったからというのは駄目。通常のサービスを見比べて判断したい。以下、僕の経験である。
携帯電話について。最初はドコモだった。しかし、かつての丸の内での、ドコモ自前店での対応が横柄だった。他社に乗り換えるとき、それまでの携帯電話を引き取ってくれなかった。アホでしかない。その後の業績と株価は周知のとおりである。そんな忠告にもかかわらず両親は、証券会社に勧められたのだろう、ドコモを買っていたが。
宅配便について。これは以前のブログでいろいろ書いた。要するにクロネコ以外、信頼に足らないと思った。結果、郵政やペリカンは片隅に追いやられ、弱小連合となってしまった。実は飛脚も好きではないのだが(京都の街中を大きなトラックがのさばっているにもかかわらず、京に配慮しているとかスカタンなコマーシャルをしている)、ネコと業務を住み分けているため、共に取扱量では共存している。
それで思い出すのはコンビニである。これも以前のブログに書いたのだが、かつてのローソンは宅配便に関してクロネコとの提携を行わず、郵政だったかペリカンだったかと組んだ。「こんなサービスの悪い先と組んで、何を見てるのや」と思わざるをえなかった。これが僕としての7-11の評価を上げた。当時のローソンの社長は、いろいろあり、もてはやされて今般、洋酒メーカーに転じた。しかし、その程度の目利きでしかないとすれば、転じた先のメーカーの先行きが心配である。マクドの例もあることだし。
スーパーではイオンとセブン&アイの差が開いている。これは「インチキ米」に象徴的である。これもブログのネタにしたが、カミさんがいないときに買って炊いたイオン(元々のダイエー)系列のスーパーの米が最悪だった。食べられたものでない。その後、イオンの米をインチキ業者が納入していたと知り、「やっぱしや」と納得した。
何回も書いたが、消費関係の会社の社長は平民的でないといけない。常に自社と同業他社を比較しないといけないだろう。これは官公庁にも言える。いずれにせよ、部下に命じることなく、平民となった社長や役員自身が、平民として消費することである。そうすれば、自分の会社の何が問題か、浮かび上がってこよう。
当然、投資家はもっと客観的に企業を評価することができる。冷徹な評価が、長期的な投資パフォーマンスを決めるのである。

2014/10/30


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