川北英隆のブログ

個人投資家が短期志向とは嘘

3/7の日経株式面に「わかる投資 株式需給」という囲み記事があり、「個人投資家は逆張り、短期志向」と見出しあった。この見出しにひっかかり、正しく書いているのかどうか読んでみた。
結論は、半分嘘が書いてあった。というか、書いている記者が個人投資家の特性を十分に理解していないから、囲み記事の内容が混乱していた。
そもそも、個人投資家には大きく分けて2種類の投資スタンスがある。そう僕は理解している。1つは信用取引を多用することに代表されるような、かつてセミプロ、今はデイトレーダーと称される個人である。もう1つはサラリーマンの個人である。この2つが混じっているから個人投資家の動向を把握するのは難しい。
まず、デイトレーダーになったつもりで考えればすぐに分かるように、動いている株を売買しなければならない。しかも短時間の勝負である。とすれば、どうしても順張り、短期(むしろ超短期)志向になるのが自然だと思える。
サラリーマン投資家はそうではない。「買いたいな」と思っていた株式が安くなると買う。その株が少し上がっても、すぐに売るわけではない。頻繁に売買注文しようものなら、就業規則違反になるだろう。比較的長く保有するに違いないし、下がったとしても「塩漬けか」と諦める場合も多いはずである。
以上から、コラム記事の「逆張り」「短期志向」のそれぞれは間違いではないのだが、一緒に書かれてしまうと「変やで」となる。新聞記者ももう少し勉強してほしいものだ。

2015/03/10


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