川北英隆のブログ

信越化学の金川千尋会長と会う

今日は楽しみな農中での講演の日だった。農林中金バリューインベストメンツの設立記念セミナーで基調講演を依頼されていて、そこにもう一人、特別講演者として金川会長が登壇した。
金川会長とは初対面でないような感じがした。というのも、日経新聞の「日曜日に考える」だったか、その1面記事に、金川会長と僕とが、さも対談しているように登場したことがある。今でも写真は次のサイトで見ることができる。
と書いたものの、実際のところ、写真はグーグルの「川北英隆の画像検索結果」をクリックしてもらうしかないようだ。
信越化学といえば、日本の化学メーカーの多くが冴えない中で、世界のトップ10にまでなった企業である。その原動力は金川氏によるところ大と表現しても過言ではないだろう。その本人と話をしてみたいと思っていたところ、期せずして実現したわけだ。
話しを聞き、名刺交換して少し話をした感想は、やはり素晴らしい経営者だと感じた。今はどこまで経営にタッチしているのかは知らないものの、経営理念が企業文化として根づいていると感じた。本人は非常に気さくな感じである。もちろん内心では人を選んでいるのだろうが、人の話を聞こうと言う姿勢は如実だった。
年齢は知らなかった。これを書くために調べると、僕の母親と同年である(大正15年生まれ)。その母親のことを思い浮かべると、さすがに経営者、理念は忘れずに、しっかりとしている。経営の大枠は外していない。
信越化学には思い出がある。1980年前後、僕が株式アナリストをやっていた時、隣に同年の化学業界のアナリストがいて、信越化学とエーザイを推奨していた。その推奨で、日本生命は両社の株式をガンガン買っていた。今調べると、当時、金川氏が役員ではあったが、まだ社長になる前のことである。僕としては「そんなにいい会社があるんや」と思っていた。実際、両社とも素晴らしい会社になった。当時の生保の株式投資とは(今はというと、語るだけの情報がない)、こういうものだったのだと、是非知ってもらいたいと思う。
「で、アンタは」と言われると、担当していた業種が大したことなかったので取り立てて言うべき企業はないものの、当時の日本生命がほとんど持っていなかったファナックと今のセブン&アイ・ホールディングスの買い推奨を書き、かなりの株数を買ってもらった記憶がある。
話しは完全に逸れたが、農林中金バリューインベストメンツは、当時の日本生命的な純投資が可能な会社である。こういう企業に是非活躍してもらいたいと思っている。

2015/03/18


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