川北英隆のブログ

天理市の衰退に思う

先日、母親の原戸籍を入手するため、天理市役所に出かけた。父親と同じ市役所なので慣れたものだ(慣れても仕方ないが)。天理駅から市役所までは天理のメイン通りである。しかし寂れた感がある。
天理には立派なアーケード通りがある。天理市が天理教で成り立ち、地方からの訪問者が多いから、人口が6万人台とはいえ、そんじょそこらの市ではない。その日も法被姿の天理教関係者が何人も歩いていた。
とはいえ、アーケード街の商店が繁盛しているとはあまり思えなかった。年寄りが1人で店番しているケースが多い。それも、店の奥で椅子に座っている。喩えは悪いが、秋、寿命を終えようとするクモが獲物になる昆虫を待っている雰囲気である。その昆虫も朝晩の冷え込みで数が少なくなったような。
「でも」と思う。アーケード街はまだましである。アーケードを抜け、市役所の方に向かうと、廃業したような店屋が目立つ。駅近くの国道沿いであり、市役所もあるのに、である。かつては賑わったのだろう、大きな飲食店も廃業している。
この天理の風景は日本の地方ではどこにでも見られる。東京近辺だけを見ていたのでは、日本の現状を見誤るだろう。
それとも、天理教の「悪しきを祓いて助けたまえ天理王のみこと」の祈りさえ届かないのだろうか。これ以上書くとバチが当たりそうなので控えておくが。

2015/06/28


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